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Channel: ほんのひきだし
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レトロでかわいい!しかも本格的!話題の「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」を使ってみた

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大人の科学マガジン 小さな活版印刷機
発売日:2017年12月
発行所:学研プラス
価格:3,780円(税込)
ISBNコード:9784056112955

2017年12月15日に発売され、予約の段階で一部のネット書店では売り切れ、発売後も1週間を待たずに完売店が続出した「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」。同月20日に増刷が発表されていましたが、ついに今年1月26日(金)ごろより増刷分が書店店頭に並び始めました!

・自分で印刷機を組み立てられる
・実際の印刷工程を体験できる
・活版ならではの温かみある印刷物に仕上がる

このように魅力たっぷりの「小さな活版印刷機」。

今回は「どんな印刷機ができあがるのか」「組み立ては簡単か」「どんなふうに使うのか」などを、実際に組み立てて・使ってみてご紹介します。




1.「小さな活版印刷機」を組み立てる

1-1.セット内容を確認

「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」は、印刷機のパーツが入った箱と読み物がセットになっています。

印刷機の組み立て方はマガジンの最後に掲載されていますので、箱とマガジンを切り離しておくと使いやすいです。

箱には7つの袋が入っていて、印刷機のパーツのほかに活字やインキ、組み立てるためのドライバーなどがついています。

▼活字はひらがなと英数字の2種類。ひらがなは「秀英明朝M」、英数字は「Century」です。

▼ドライバーは手のひらにおさまるサイズ。

それでは組み立てていきましょう。

 

1-2.組み立てにかかる時間は約30分!

印刷機はシンプルにいうと、「版盤」に「圧盤」を押し付けることで紙にインキをしみこませる仕組みになっています。「版」とは文字や図形を彫った板のことです。

今回の「小さな活版印刷機」の組み立ても、土台に版盤、圧盤、インクを活字につけるためのローラー、そしてこれらを動かすためのハンドルを取り付けていくという工程をたどります。

まずは土台を組み立てて、

圧盤を取り付けるためのアームをつけ、

版盤を取り付け、

ハンドルを付けて、

インキ台とインキローラーをセットし、

マットを敷いた圧盤を取り付ければ……

完成です!!!

ここまでにかかった時間は30分ちょっと。ゆっくり組み立てても1時間かからずに仕上がりそうです。

 

1-3.部品は予備がないので失くさないよう注意!

完成品のサイズは幅・奥行き・高さとも18cmくらいで、両手にコロンと乗るかわいらしいサイズです。プラスチック製ですが、レトロなフォルムや色味もあいまって安っぽさは感じません。

もし工程を間違えても逆順に戻ればやり直しがききますし、構造がわかっていれば組み立て方に迷うこともなさそうです。不安な方は公式サイトの動画を見ながら組み立てるとわかりやすいですよ。

ここまでの工程で注意すべきは、基本的ではありますが「ネジを失くさないこと」「アームユニットの左右を間違えないこと」「ネジを垂直に“押し付けながら”回すこと」。ネジを含め部品の予備は入っていませんので、失くさないように気をつけてください。

特に一番小さな「なべネジ」は1cm足らずと小さく、静電気で指にまとわりつくことがありますので注意が必要です。

 

2.「小さな活版印刷機」で印刷する

無事完成したところで、さっそく印刷してみましょう!

ここでハサミを用意。ハサミは用紙のカットと、活字の切り離しに使います。

ちなみに今回用意するのは、このハサミだけです。

 

2-1.紙を用意する

マガジンにはとじ込みで2種類の印刷用紙が2枚ずつ付いていて、ミシン目から切り離して使えます。

巻末の「ふろくの使い方」に寸法表(型紙)が載っていますので、まずはこれに従って作ってみるのがおすすめ。寸法表は「しおり(小・大)」「コースター(丸・角丸)」「名刺」「はがき」の6種類用意されています。

今回は厚めで少しボコボコ感のある「ハーフエア・コットン」を、名刺サイズに切って使ってみました。

 

2-2.活字をセットする

活字を切り離して使いたい文字を拾い、版盤に並べて印刷機にセットします。気分は『銀河鉄道の夜』のジョバンニ……。

▼鏡文字になっているので、つい注意深くなってしまいます。文字の並び順にも注意。

インキ台には吸水紙を置き、水で湿らせて貼り付けます。

吸水紙にインクをのせ、ハンドルを動かしてローラーにインクが付くまでしっかり伸ばしましょう。

伸ばし終わったら版盤にローラーをこすり付けて、活字にインクを付けます。

そして圧盤の内側に紙をセット! 準備は整いました。レバーを倒して圧盤を版盤にくっつけます。

いざ!!!

 

2-3.緊張の瞬間!

レバーを起こして、圧盤の内側をすぐさま確認。

おや……?

 

\デデーン/

「き」が寝転んでしまいました……。

実際の色味はこちら。いい具合にかすれも残って、印刷自体は無事成功です!

 

3.使ってみた感想

実際に使ってみて予想と異なっていたのは、「組み立てよりも印刷が難しい」ということでした。

最も手を抜けないなと思ったのは「活字の切り離し」。特に“バリ”は丁寧に取り除く必要があります。

▼オレンジの丸で囲んだ部分が“バリ”。

バリが残っているなどして版盤から浮くと、ほかの活字にインクがつかず、うまく印刷されない原因に……。

また今回「き」がそうだったように、印刷の過程で活字が回転して向きが変わってしまうこともあります。印刷する前に版盤の状態をもう一度確認したほうがよさそうです。

 

4.繰り返し使いたいときの注意点やアレンジ方法など

4-1.使った後のメンテナンス、代用品、追加注文について

印刷機を使い終わったら、インキの付いたパーツを取り外し、ぬるま湯で洗って乾かしましょう。活字も同様です。

取り替えが必要なのは、吸水紙とインキローラー。吸水紙はキッチンペーパーで、インキローラーのフェルトは市販のシールフェルトでそれぞれ代用できます。また黒以外のインキで印刷したいとき・付属のインキがなくなったときは、水彩絵の具がインキの代わりになるそうです。

また活字セットとインキローラーについては追加注文ができます。くわしくは「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」本誌をご確認ください。

 

4-2.ユニークなアレンジ方法いろいろ!

今回紹介した「小さな活版印刷機」は、紙やインキの種類、活字の並べ方、押し具合などの組み合わせ次第でさまざまなデザインの印刷物が作れます!

マガジンの〈ふろくで遊びました。〉というコーナーには、印刷初挑戦の三戸なつめさんをはじめ、活版印刷のプロである九ポ堂、“文字遊びの達人”の大日本タイポ組合、かわいい消しゴムはんこが人気のmizutama、東京・神田にある製版屋さん「真映社」が登場。「限られた活字でどこまでできるか」に挑戦したり、自作の“版”で印刷してみたり……。印刷機をガンガン活用したくなるアイディアが満載です。

 

4-3.活版印刷の世界にどっぷり! 『活版印刷三日月堂』の特別書き下ろし小説も

活版印刷が好きな方は必読! 「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」には、川越の活版印刷所を舞台にした連作短編集『活版印刷三日月堂』の特別書き下ろし小説も収録されています。

タイトルは「届かない手紙」。作中で描かれる主人公・弓子さんの幼少時のエピソードになぞらえて、著者のほしおさなえさんが実際に活版印刷所で一筆箋を刷った体験記もあわせて読むことができます。

▼『活版印刷三日月堂』は「星たちの栞」「海からの手紙」「庭のアルバム」の3冊が刊行されています。

活版印刷三日月堂 星たちの栞
著者:ほしおさなえ
発売日:2016年06月
発行所:ポプラ社
価格:734円(税込)
ISBNコード:9784591150412





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