「なんでみんなと一緒に遊ばないの?」から生まれた本
2008年に発売された本でありながら、この1年で大きく売り上げを伸ばし、累計18万部を達成した『友だち幻想』。4月14日(土)に「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)で又吉直樹さんに紹介されたことから、さらに注目を集めています。
(日販「オープンネットワークWIN」調べ)
著者は社会学者の菅野仁さんで、本書は、人付き合いの苦手な長女が「なんでみんなと一緒に遊ばないの?」と小学校の教師から注意されたことをきっかけに生まれました。
「みんな仲良く」「私を丸ごと受け入れてくれる人がきっといる」という考えは幻想であり、上手に他者との“つながり”を築くためには、人付き合いのルールを知り、ほんの少しの作法を身に付ける必要があると説いています。
家族や恋人、職場、ママ友といった人間関係に悩む人にも
中高生向けレーベル「ちくまプリマー新書」から発売された本書ですが、SNSなどコミュニケーションツールの発達により、さらに難しくなる人間関係に息苦しさを感じる人も多い現代。
人と人との“つながり”について解きほぐす本書は、若い世代はもちろん、家族や恋人、職場関係、ママ友パパ友といった、身近な「他者」との関係に悩む幅広い世代の共感を呼んでいます。4月10日(火)からの1週間では、「本屋で今検索されている本ランキング」の第1位となりました(日販 attaplus!調べ)。
初学者向けに社会学を紹介するテキストとしても定評があり、中学から大学の課題図書や入試問題文として繰り返し使われている本書。
新しい環境や人間関係での生活をスタートした人も多いこの時期に、多くの人の心に寄り添う実用的な一冊です。
- 友だち幻想
- 著者:菅野仁
- 発売日:2008年03月
- 発行所:筑摩書房
- 価格:799円(税込)
- ISBNコード:9784480687807
目次
はじめに――「友人重視指向」の日本の高校生
第1章 人は一人では生きられない?
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
第3章 共同性の幻想――なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
第5章 熱心さゆえの教育幻想
第6章 家族との関係と、大人になること
第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想
第8章 言葉によって自分を作り変える
おわりに――「友だち幻想」を超えて
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