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話題の「教養本」人気の秘密とは? 『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』

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ビジネスだけでなくプライベートなシーンでも問われる「教養力」。幅広い知識を身につけることは、目の前の事象だけにとらわれず、物事を総合的に判断するために必要であるとされています。

なかなか一朝一夕では身に付かないものですが、いま、毎日5分読むことで少しずつ「世界の教養」を身につけられる本が売れています。それがこちらの『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』。

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
著者:デイヴィッド・S・キダー ノア・D・オッペンハイム 小林朋則
発売日:2018年05月
発行所:文響社
価格:2,570円(税込)
ISBNコード:9784866510552

原著がニューヨークタイムズベストセラーとなり、シリーズ累計発行部数100万部を突破している本書。日本での発売後はテレビ番組でも取り上げられ、着実に売上を伸ばしています。下のグラフを見てもわかる通り、男女関係なく幅広い年代に人気です。

▼『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』購買者クラスタ

今回はその人気の秘密を紐解きます!

 

「1日1ページ」という抜群の取組みやすさ

本書の魅力は書名にある通り、「1日1ページ」読むことで教養が身についていくところ。

月曜は「歴史」、火曜は「文学」、水曜は「視覚芸術」、木曜は「科学」、金曜は「音楽」、土曜は「哲学」、日曜は「宗教」と、1週間で7分野を1周し、365日を通して幅広い知識に触れることができる仕組みになっています。

▼1ページにその日学ぶ知識がまとまっている

具体的にはどんなことが書いてあるのでしょうか?

たとえば82日目は「音楽」分野で、作曲家「バッハ」について取り上げています。(p.88)
どのページも、上段①の部分で概要を説明し、下段②の部分でくわしく解説をするという構造。

概要を読んでみると……

ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)は、バロック時代の最も重要な作曲家であり、史上最も重要な作曲家と言ってもいいかもしれない。(中略)すべてにわたる音楽的感性は、まさに天才と呼ぶにふさわしい。彼は後世のほぼすべての作曲家たちに影響を与え、それは20世紀のジャズやポップスの作曲家たちにも及んでいる。

17~18世紀に活躍した作曲家で、現代に至るまでに多くの作曲家たちに影響を与えていたということがわかります。「ドイツの偉大な音楽家」ということは知っていましたが、「史上最も重要な作曲家」と言われるほどすごい人だったとは……。

また下段には、こんなことが書かれています。

バッハの音楽家人生は、楽曲を人々から「凡庸」「難しすぎる」「つまらない」と酷評されるのが常だった。それでもワイマールの宮廷オルガニストだった時期(1708~1717)には楽師長に昇任した。

今となっては「偉大な作曲家」と言われるバッハですが、当時は誰からも認められていたというわけではなく、酷評されることもしばしばあったようです。それでも出世し、歴史に名を残しました。「つまらない」と言われる作品にこそ、長く愛される普遍的な魅力が詰まっているのでしょうか……。

1ページ読むだけでも、バッハについて興味が湧いてきませんか? 初めて聞くテーマはもちろん、本書を読めば「聞いたことはあるが、よく知らない」ということについても知識を深めることができるのです。

 

思わずじっくり読んでしまう「豆知識」

もうひとつ、本書の大きな魅力になっているのが、ページ下部にある「豆知識」。これが面白いと評判です。

豆知識
1.バッハは、最初の妻とのあいだに7人、二度目の妻とのあいだに13人の子どもをもうけた。
2.バッハの子どもたちのうち10人は夭逝したが、(中略)4人は有名な作曲家になった。
3.バッハは、幼いころ父親と兄たちから音楽教育を受けたが、作曲術はほとんど独学で習得した。

 

!?

 

バッハの子どもたちは合計20人もいたそうです。そのうち10人は若くして亡くなりましたが、有名な作曲家になった子どもが4人もいます。

バッハ本人は、作曲術をほぼ独学で習得。厳しい道のりのなか独学で成功を収めた、まさに天才作曲家だったのですね。

 

知識も興味も広がっていく教養本

ちなみに、筆者が驚いたのはスペイン文学の最高傑作『ドン・キホーテ』に関する豆知識。

今までに出版されたすべての書籍のうち、『ドン・キホーテ』は、印刷総部数では聖書に次いで史上第2位である」そうです。

ほかの項目ではこんな豆知識も収録。〇〇の部分は、実際に本書で確認してみてください!

【歴史】ミッドウェー海戦
大戦中、アメリカの50州の中で日本軍が唯一占領した領土は〇〇

【文学】オスカー・ワイルド
オスカー・ワイルドは講演旅行でニューヨークについたとき、税関職員に「私が申告すべきものはわが才能のみ」と告げた

【芸術】ゴッホ
ゴッホは自分で切り落とした耳を顔なじみの〇〇に贈った

【科学】ニュートン
ニュートンの死後、遺体からは大量の水銀が見つかったのはおそらく、〇〇の実験をやっていたせい

【音楽】ブラームス
ブラームスは、フランツ・リストのコンサートで居眠りをしてしまい、リストから嫌われた

【哲学】ソクラテス
直接会ったことのある人は、ソクラテスの顔を非常に不細工だったと言っている

【宗教】ブッダ
ブッダは〇〇を食べて亡くなったとされている

「教養」というと小難しく感じますが、本書にはこういった「誰かに話したくなる」ようなネタがたくさん散りばめられています。

幅広い知識を身につけられるだけでなく、知的好奇心を高める工夫も施された本書。あまり触れてこなかった分野について学ぶために、知ってるようで知らない知識を補強するために、持っておきたい一冊です。

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
著者:デイヴィッド・S・キダー ノア・D・オッペンハイム 小林朋則
発売日:2018年05月
発行所:文響社
価格:2,570円(税込)
ISBNコード:9784866510552

 

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