11月8日(木)「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」の発表会が行なわれ、角幡唯介さんの著書『極夜行』が大賞を受賞しました。
- 極夜行
- 著者:角幡唯介
- 発売日:2018年02月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,890円(税込)
- ISBNコード:9784163907987
まったく、すべてが想定外だった――。
太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命がけで体感した探検家の記録。(本書帯より)
角幡唯介さんは1976年生まれ、早稲田大学探検部出身のノンフィクション作家・探検家。
第8回開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞した『空白の五マイル』や、北極探検中に総勢129名が全滅したフランクリン隊の足跡をたどる『アグルーカの行方』、雪男捜索隊のことを綴った『雪男は向こうからやって来た』などで知られています。
今回大賞を受賞した『極夜行』は、テクノロジーの発達と普及により“未知の空間”を見つけることが難しくなった現代において、角幡唯介さんが「真っ暗で何も見えない氷の世界を単独で歩く」という未知に挑んだノンフィクション本。
タイトルにある「極夜」とは、太陽が地平線の下に沈み、3か月から4か月、場合によっては半年もの間“夜”が続く現象のこと(その逆が「白夜」)。角幡さんはそんな環境の北極を、GPSを持たず、犬一匹とともに数十kgものソリをひいて進んだのだといいます。
3年にわたる準備と、満を持して迎えた本番で角幡さんを襲ったブリザード、食糧不足、そして進むべき方向を見失う恐怖……。
そんな“未知”に読者を誘い込む本書は、今年2月の刊行当初から注目を集めていました。
「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」は、良質なノンフィクションを広く伝え、世界で起きている事象への関心を喚起するとともに、すぐれた書き手に対して活動を支援する目的で創立された賞。
今回角幡さんには副賞として、取材支援費100万円が贈呈されました。
ノミネート作品はこちら
・『一発屋芸人列伝』 (山田ルイ53世/新潮社)
・『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(松本創/東洋経済新報社)
・『極夜行』(角幡唯介/文藝春秋)
・『告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実』(旗手啓介/講談社)
・『日航123便墜落の新事実』(青山透子/河出書房新社)
・『ノモレ』(国分拓/新潮社)
・『Black Box』(伊藤詩織/文藝春秋)
・『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(内田洋子/方丈社)
・『ユニクロ潜入一年』(横田増生/文藝春秋)
・『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』(石井光太/双葉社)※選考方法…2017年7月1日~2018年6月30日に日本語で出版された作品から、約100名の書店員による投票でノミネート作10タイトルを選出。本屋大賞実行委員会の選考により大賞作品を決定。
関連記事
・ヤフー×本屋大賞「ノンフィクション本大賞」ノミネート作が決定!『一発屋芸人列伝』『Black Box』など10作品
・髭男爵 山田ルイ53世のノンフィクション『一発屋芸人列伝』が泣ける!“お伽噺”が終わった一発屋たちの現在を描く
・レイプ被害にあった詩織さんが『Black Box』で本当に伝えたかったこととは
・23年間封印された、ある警察官の死――NHKスペシャルのディレクターが語るカンボジアPKOの内実
・「川崎中1男子生徒殺害事件」の犯人は”不良少年”ではなかった――石井光太著『43回の殺意』
- 空白の五マイル
- 著者:角幡唯介
- 発売日:2012年09月
- 発行所:集英社
- 価格:648円(税込)
- ISBNコード:9784087468823
- アグルーカの行方
- 著者:角幡唯介
- 発売日:2014年09月
- 発行所:集英社
- 価格:842円(税込)
- ISBNコード:9784087452297
- 漂流
- 著者:角幡唯介
- 発売日:2016年08月
- 発行所:新潮社
- 価格:2,052円(税込)
- ISBNコード:9784103502319
- 探検家の日々本本
- 著者:角幡唯介
- 発売日:2017年06月
- 発行所:幻冬舎
- 価格:702円(税込)
- ISBNコード:9784344426160