4月9日(火)、「2019年本屋大賞」の受賞作が発表されました。
大賞を受賞したのは、瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』。初ノミネートでの受賞となりました。
『そして、バトンは渡された』は、「ブランチBOOK大賞2018」大賞、「キノベス!2019」第1位を受賞するなど、かねてから評価の高かった作品です。瀬尾まいこさんには副賞として、10万円分の図書カードなどがプレゼントされました。
- そして、バトンは渡された
- 著者:瀬尾まいこ
- 発売日:2018年02月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,728円(税込)
- ISBNコード:9784163907956
あらすじ
私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。
森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。(文藝春秋BOOKS『そして、バトンは渡された』より)
なお『そして、バトンは渡された』を含めたノミネート10作品の順位は下記のとおり。 今回は一次投票に全国493書店から623人、二次投票には●書店から●人が参加しました。
第1位『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ/文藝春秋)
第2位『ひと』(小野寺史宜/祥伝社)
第3位『ベルリンは晴れているか』(深緑野分/筑摩書房)
第4位『熱帯』(森見登美彦/文藝春秋)
第5位『ある男』(平野啓一郎/文藝春秋)
第6位『さざなみのよる』(木皿泉/河出書房新社)
第7位『愛なき世界』(三浦しをん/中央公論新社)
第8位『ひとつむぎの手』(知念実希人/新潮社)
第9位『火のないところに煙は』(芦沢央/新潮社)
第10位『フーガはユーガ』(伊坂幸太郎/実業之日本社)
※ノミネート作品のくわしい紹介はこちら
・現在までの“売れ方”から見る「2019年本屋大賞」:ノミネート10作を解説!
発掘部門は『サスツルギの亡霊』に
また、本屋大賞受賞作の発表よりも早く、3月28日(木)には発掘部門から「超発掘本!」が発表されました。
発掘部門は、本屋大賞のエントリー対象よりも前(今回は2017年11月30日以前)に刊行された作品の中から、ジャンル不問で「時代を超えて残る本」「今読み返しても面白いと思う本」を選ぶもの。
今回は2005年に刊行・2008年に文庫化された、神山裕右さんの『サスツルギの亡霊』が選ばれました。神山さんは、2004年に史上最年少で江戸川乱歩賞を受賞した作家です。
- サスツルギの亡霊
- 著者:神山裕右
- 発売日:2008年09月
- 発行所:講談社
- 価格:972円(税込)
- ISBNコード:9784062761444
『サスツルギの亡霊』は、兄を南極で亡くした主人公のカメラマンが、仕事で越冬隊の密着撮影をすることになるという設定のミステリー小説。「サスツルギ」とは雪の表面が風で削られてできる模様のことを指し、その形によって風向きを知ることができるといわれています。
この本を推薦したのは、長野県にある蔦屋書店諏訪中洲店の立木恵里奈さん。
「もっと多くの人に読んでもらいたい」と思いながら大々的に展開する機会には恵まれず、悔しい思いをしていたことから、著者・神山裕右さんのデビュー15周年と本屋大賞15周年にかけて、「これが最後のチャンス」と同作を推薦したのだそうです。
昨年の本屋大賞受賞作は『かがみの孤城』
- かがみの孤城
- 著者:辻村深月
- 発売日:2017年05月
- 発行所:ポプラ社
- 価格:1,944円(税込)
- ISBNコード:9784591153321
昨年本屋大賞を受賞したのは、辻村深月さんの『かがみの孤城』。
以下、柚月裕子さんの『盤上の向日葵』、今村昌弘さんのデビュー作『屍人荘の殺人』と続きました。
第1位『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社)
第2位『盤上の向日葵』(柚月裕子/中央公論新社)
第3位『屍人荘の殺人』(今村昌弘/東京創元社)
第4位『たゆたえども沈まず』(原田マハ/幻冬舎)
第5位『AX アックス』(伊坂幸太郎/KADOKAWA)
第6位『騙し絵の牙』(塩田武士/KADOKAWA)
第7位『星の子』(今村夏子/朝日新聞出版)
第8位『崩れる脳を抱きしめて』(知念実希人/実業之日本社)
第9位『百貨の魔法』(村山早紀/ポプラ社)
第10位『キラキラ共和国』(小川糸/幻冬舎)
※受賞式の模様はこちら
・2018年本屋大賞は辻村深月『かがみの孤城』が受賞!